とにかくうまく付き合いましょう。【スリッページ】のはなし

 

スリッページとは

スリッページとは、注文した価格と実際に約定した価格の差のことをいいます。
「すぺる」と表現されたりします。注文した価格よりも有利な価格で約定する場合と不利な価格で約定する場合があります(この点、通常不利な価格提示になるリクオートとちがいます)。

 

たとえば、米ドル/円で1ドル=100.000(100円)というレートで買い注文を出したとします。

しかし、実際に約定したのは100.005(100円0.5銭)というレートでした。

この場合、0.5pips(0.5銭)のスリッページが発生したことになります。

 

スリッページは、なぜ、どのように発生するのか?

 

スリッページが発生する理由

 

スリッページが発生する理由としてはさまざまなものが挙げられますが、ざっくり大きく分けると次の2つになるかと思われます。

(1)レートの提示から約定までの時間差(レイテンシー)

(2)FX業者による意図的なスリッページ(疑惑)

順を追ってみていきましょう。

 

(1)レートの提示から約定までの時間差(レイテンシー)

 

スリッページは通常、業者がカバー先から提示されたレートに利益を上乗せしたものを顧客に提示し、顧客がそのレートで注文を出してから約定するまでの間にレートが動くことによって発生します。

顧客が取引画面上の価格をチェックしているあいだも、インターバンク市場(金融機関同士の市場)では刻一刻とレートが変動していきます。

顧客は、このレート変動リスクをスリッページというかたちで負うことになります。

 

DD方式の場合は、業者がレートを決定して顧客に提示しますので、やろうと思えば顧客の希望通りのレートで約定させることも可能です(後述しますが、意図的にスリッページを発生させることもできます)。

一方、NDD方式の場合は、インターバンク市場に直接注文を流しますので、意図的なスリッページの発生は理論上は考えられません。

 

(2)DD方式の業者による意図的なスリッページ(疑惑)

 

あと、あくまで「疑惑」としてお話ししますが、DD方式で「呑み行為」を行なっているFX業者が意図的にレートを操作してスリッページを発生させている、という理由も挙げられます。

なぜそんなことをするのかというと、DD方式のFX業者と顧客トレーダーとは相対取引という性質上、基本的に利益相反関係になってしまうからです。

簡単にいうと、DD方式の業者は顧客が損をすることで利益を上げることができるのです。

 

スリッページが発生しやすい【5つ】のケース

 

先ほどお話ししたように、スリッページは注文から約定までの時間差によって発生します。

意図的なスリッページ疑惑の方は、この場でああだこうだ言っても仕方がないので「時間差」の問題についてもうすこし掘り下げたいと思います。

さて、時間差が生じやすい場合として主につぎのような場合があげられます。

(1)相場の値動きが激しい場合
(2)ストップ注文(逆指値)を執行する場合
(3)FX業者のカバー先が少ない場合
(4)FX業者のシステム上の処理能力が低い場合
(5)自分のインターネット環境などに問題がある場合

それぞれ順を追ってみていきましょう。

 

(1)相場の値動きが激しい場合

 

値動きが激しい(早い)ときは、ごく短時間の間でもどんどんレートが動いてしまいます(このような場合は「値飛び」もおきやすく、スプレッドも広くなりやすいので注意が必要です)。

たとえば、どういう場合に値動きが激しくなるかというと、重要な経済指標が発表されたとき、政治家や中央銀行の総裁といった要人の重大発言があったときなどが挙げられます。

また、非常事態として「A国がB国を爆撃した」とか「どこそこで大規模なテロがあった」、「大規模な地震(自然災害)があった」などといったニュースが出た場合も相場の値動きが激しくなりやすいです。

 

(2)ストップ注文(逆指値)を執行する場合

 

ストップ注文(逆指値)の注文の場合は、レートが注文価格になった時点ですぐに売買の執行がなされるわけではなく、注文価格になってから<あらためて>その価格での成行注文が出されるため、どうしても時間差が大きくなり、スリッページも発生しやすくなります。

あと、成行注文でもスリッページが発生することがあります。

この成行注文でスリッページが頻繁に発生するようだと、上でみた「意図的スリッページ」の疑いがでてきます。

ちなみに、指値の注文ではレートが注文価格になった時点ですぐに売買の執行がなされますので、通常ならばスリッページは発生しません。

 

(3)FX業者のカバー先が少ない場合

 

FX業者のカバー先(業者が顧客の注文を流す金融機関)が少ない場合も、流動性いかんによっては約定しづらくなります。

どういうことかというと、FX業者は<通常>顧客の注文を受けてから、インターバンク市場(金融機関同士の市場)で取引を行っている金融機関(カバー先)に注文を流します。

このカバー先となる金融機関が少ないと、それだけスムーズに注文を処理する上での限界に達しやすくなります。

その結果、相場が大きく動くなどして注文量が一気に増えたり、逆に流動性が低くなったりするとスリッページが発生しやすくなります。

 

(4)FX業者のシステム上の処理能力が低い場合

 

業者のシステム上の処理能力が低いと当然、約定までの時間も遅くなりがちです。

FX業者のサーバーの処理能力であったり、レートの配信速度であったり、なんらかのシステム障害であったりと様々なシステム上の問題で顧客の注文から約定まで時間がかかり、スリッページが発生しやすくなったりします。

この点については、自分自身でコントロールできる問題ではないので、頻繁にスリッページが発生するようであれば、業者を変えてみるのもひとつの手です。

 

(5)自分のインターネット環境などに問題がある場合

 

この場合は、じぶん側の問題です。

いくらFX業者の注文処理能力が高くても、じぶん側のネット環境(回線速度など)やPCなどの処理能力に問題があっては、業者に注文が届くまでに時間がかかってしまいます。

その結果、業者が迅速な処理をしたにもかかわらず、結果的にスリッページが発生してしまうことになります。

 

スリッページとうまく付き合っていく【3つ】方法

 

 

スリッページは許容設定をゼロにしない限り、100%回避することはできません。

許容設定をゼロにすれば、場合によっては約定しにくくなします。

ですので、スリッページでストレスを抱えないためにも、自分なりにスリッページとの付き合い方を模索する必要があります。

スリッページとの付き合い方として大きく3つが挙げられます。

(1)スリッページが発生しやすいときを避けてトレードする。
(2)スリッページの許容範囲を設定(ストリーミング注文)する。
(3)少々スプレッドが広くても約定力の高いFX業者を利用する。

では、順を追ってもう少し詳しくみていきましょう。

 

(1)スリッページが発生しやすい時を避けてトレードする

 

先ほど「相場の値動きが激しい場合」のところでお話ししたとおり、重要な経済指標の発表や、要人の発言、さらには軍事的な重大ニュースや大規模テロや自然災害などの発生によって、相場が急激に変動しやすくなります。

そのようなときは、大量の注文が殺到するためにスプレッドが大きく広がるだけでなく、スリッページの発生率も格段に高まります。

スリッページが発生する場合については、上の例でいうと、大きく次の2つに場合分けできるかとおもいます。

<1> 前もって避けることができる場合(経済指標の発表、予定されている要人発言など)
<2> 事前に知ることができない場合(突発的な要人発言や軍事的行動、大規模テロ、自然災害など)

<2>に関しては、急な値動きにつられてむやみにエントリーしないことはもちろんのこと、もしポジションを持っているならば、状況次第では成行注文で損切りするなどして迅速に対処するしかありません。

しかし、<1>に関しては事前に知ることができます。

ですので、その時間帯での取引を避けることも可能です。

 

さらにいえば、これはスリッページだけの問題ではないのですが、重大な経済指標の発表を控えている当日は取引を控えたり、数日間持ち越すことを前提としたスイングトレードの場合は、発表がおわって相場が落ち着くまでエントリーを控えたりといった対応が可能です。

このあたりを自分なりに考えながら取引すれば、余計なコストの削減につなげることができます。

 

(2)スリッページの許容範囲を設定する

 

「スリッページ、ダメ、絶対!」というかたにおすすめなのがストリーミング注文という方法です。

ストリーミング注文とは、クリックした時点で取引画面に表示されている価格でないと約定しない注文です。1ドル=100.000(100円)のというレートでクリックすれば、100円より有利な価格で約定することはあっても不利な価格で約定してしまう心配はありません。

ただ、先にも触れたとおり、このような注文の仕方だとたしかに思い通りの価格で約定しますが、その反面なかなか約定しないという問題も生じたりします。

 

また、スリッページの許容範囲(許容幅)を設定するという方法もあります。

「そこまで厳密なレートにはこだわらないから約定スピードをあげたい。でも、せめてこのくらいのスリッページまでにしてほしい」という注文設定です。

たとえば、スリッページの設定を2pips(2銭)と設定すれば、注文価格よりも2銭不利な価格であっても約定してしまいます。

そのかわり、注文価格以外は拒否する設定(スリッページ許容幅「0」)よりは約定しやすくなります。

ただしこの場合も当然、許容範囲を狭くすればするほど約定しにくくなるので、損切りのストップ注文などの際は注意が必要です。

なぜなら、ストップ注文がなかなか約定しなければ損失はその分膨らむ可能性が高まるからです。

 

(3)少々スプレッドが広くても約定力の高い業者を利用する

 

最後に、より根本的な対処方法です。

あまりにも頻繁にスリッページが発生するようならば思い切って業者を変えるということも検討したほうがいいかもしれません。

別にひとつの業者にこだわり続けなければならない理由などないのですから。

そこで、新しい業者を選ぶときに重視したいのが約定力です。

約定力とは、顧客の注文を忠実かつ迅速に処理する能力のことです。

この約定力が低くければ、いくらスプレッドが狭くても意味がありません。

さらにいえば、約定力はDD方式よりもNDD方式の方が圧倒的に高いです。

なぜなら、NDD方式の業者は顧客の注文をダイレクトにインターバンク市場に流すため注文処理が迅速だからです。

ちなみに、国内業者はほとんどがDD方式、海外FX業者はほどんどがNDD方式です。

 

最後にひとこと

 

スリッページを完全に避けようとすれば、約定力が低下してしまいます。

約定力を優先しようとすれば、スリッページの許容幅を大きくしなければなりません。

スリッページとうまく付き合う方法をじぶんなりに確立して、なるべく余計なストレスを減らしながらトレードしていきたいですね。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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