隠れた取引コスト【リクオート】のはなし

リクオートとは

 

リクオートとは、トレーダーの希望した注文価格とは異なる(通常は不利な)価格で注文を成立させてもいいかと業者側が聞いてくることを意味します。
リクオートで提示される価格は、業者がその時に提示できるベストな価格です。
「この価格であれば注文を成立させることができますけど、どうしますか?」と聞いてくるわけです。経済指標の発表時など相場(レート)が大きく動くときに発生しやすくなります。

 

たとえば、米ドル/円の取引でみてみましょう。

Aさんは、1ドル=100.000(100円)のレートで10万通貨の買いポジションをもったとします。

その後、ドルが値上がりして1ドル=100.050(100円5銭)になったとします。

ちなみに、今回の例では10万通貨ですので1円値上がりすれば10万円の利益になります。

 

さて、「今がチャンス!」と思ったAさんは、5銭(5pips)で5000円の利益を確定するため、上の100.050のレートで決済の注文を出しました。

ところが、DD方式採用の業者を利用したAさんは、画面上で次のような内容のメッセージを目にしました。

「100.040のレートであれば約定できますが、よろしいですか?」

これだと、5000円の利益が4000円に減ってしまいます。

 

「なんだよ、もう・・・」と思っているそばでドルはどんどん値下がりしていきます。

その後、値動きが激しさを増していき、とうとう100円を割って99.990まで下がってしまいました。

 

ついさっきまで5000円の含み益をもっていた(リクオートさえなければその利益を確定できた)Aさんですが、今では1000円の含み損をかかえています。

 

リクオートは隠れた取引コスト

 

先ほどの例でAさんは、リクオートのせいで利益確定のチャンスをのがしただけでなく、取引の損益がプラスからマイナスになってしまいました。

通常のトレードではもう少し微妙なズレ具合かもしれませんが、とにかくこのリクオートがトレーダーの資金をじわじわとむしばんでいくのです。

 

繰り返しますが、上の例ではリクオートなしで約定していれば、5000円の利益になっていたわけです。

 

スキャルピングやデイトレードのように比較的小さな値幅(pips)をねらうスタイルのトレードをする人にとって、約定力(顧客の希望どおりに注文を約定させる能力)はとても重要になってきます。

 

当サイトでも繰り返しお話ししていますが、スプレッドがいくら狭くても、希望のレートで約定しなければ何の意味もありません。

 

「ここぞ!」という絶好のタイミングでリクオートなんかされたら、勝てたはずのトレードで勝てないわけですからストレスもたまります。

ストレスがたまると、感情も乱れやすくなってきます。

感情が乱れてくると、ろくでもないトレードをやらかしてしまったりします。

約定力に問題があると、すべてに影響してくるといっても過言ではありません。

 

なぜリクオートが発生するのか?

 

そもそもリクオートは、なぜ、どのように発生するのでしょうか。

その原因は、FX業者の採用している注文の処理方式にあります。

DD方式とNDD方式のはなしです。

 

DD方式を採用している業者は、顧客の注文を業者内部で処理操作して、リスク回避のために一部をインターバンク(金融機関同士の市場)に流します。

価格が大きく変動するときなどは、業者が顧客の注文を内部処理しているうちにも価格はどんどん変動していきます。

DD方式の場合、提示するレートは業者が自由に決められます。

顧客の注文レートで約定させると不利になる場合、業者は顧客に不利なレートを提示することもできます。

その結果、顧客が出した注文価格と実際の約定価格が異なる(不利な価格を提示される)という事態が発生してしまうのです。

リクオートはこのようにして発生するわけです。

 

NDD方式なら基本的にリクオートなし

 

先ほどDD方式の業者についてお話ししました。

じゃあ、NDD方式の業者はどうなの?って話になりますね。

 

国内のFX業者のほとんどがDD方式なのとは対照的に、海外のFX業者はほどんどがNDD方式を採用しています。

そして、NDD 方式の場合は業者が顧客の注文を直接インターバンクに流すため(厳密には少し違いますが)、注文の流れがスムーズになります。

 

その結果、顧客の注文レートと約定レートとの間に不利なズレが生じることを極限まで避けることが可能となるのです。

たとえば、XMではリクオートが発生しないと明言しています(下は公式サイトより引用)。

 

 

NDD方式では純粋に手数料(スプレッド)で利益を上げなくてはいけないので、顧客にどんどんトレードしてほしいわけです。

リクオートを頻発すれば顧客は損をしますし、ストレスを抱えることになります。

最悪の場合は、その業者で取引をしなくなるでしょう。

 

たしかにNDD業者は、DD業者と比べるとスプレッドが広いというデメリットがあります。

しかし、リクオートを含めた約定力でそのデメリットをカバーしているともいえるわけです。

 

最後にひとこと

 

リクオートが発生するとせっかくのチャンスを逃してしまいます。

日本ではほどんどの業者がDD方式のため、このリクオートの発生が「当たり前」のこと考えられているかもしれません。

 

しかし、リクオートの発生率はどこのFX業者で口座開設するかを決める際に、スプレッドと同じくらい、場合によってはそれ以上に重要な要素となり得ます。

ほかの記事でもお話ししていますが、いくらスプレッドが狭くてもリクオートされたら意味ありませんから。

 

これからFXの口座を開設しようと考えている方はもちろん、今のFX業者でリクオートに悩まされている方は、DD方式なのかNDD方式なのかという点を業者選びの基準のひとつとしてみると良いかもしれません。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

<管理人が利用している海外FX>

🍎 XM公式サイト

 

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